彼の頭の中

更新頻度は低いと思います。

DIXIE TANTAS『いつか見た月』

DIXIE TANTASはマイナーなバンドだと思うが、とても良い曲を作る方々だった。小さい頃から聞かされていた曲の一つで、はじめは『Super Scream』という曲に惹かれたものだが、歳をとるにつれて落ち着いた曲を好むようになってきたのもあり、今回紹介する『いつか見た月』が今は一番の好みだ。

  この曲の詞は、特別何かを考える必要もないぐらい分かりやすいものだ。少々英語を用いる歌詞や曲調に90年代らしさのようなものを感じるかもしれないが、それはそれで程よく洒落た哀愁を感じる。J-POP史というのは分からないが、当時いわゆる○○系に該当しそうな、しなさそうな分野だと思う。ファンクなJ-POPというやつだろう。

  そういえば、「月」は概ね女性を象徴とする場合が多いようだ。確かに太陽の光は直接見つめられないほど強すぎるが、月がそうなることはない。この光の加減と、いつでも浮かんでいるという性質から、女性性を想起させたのかもしれない。この女性性は男性における理想像とも言えるのだろうが、古くからそう思われているのだから仕方ない。有名な話ではあるが(とはいえ、出典元が不明瞭な点からガセのようだが)夏目漱石は「愛している」を「月が綺麗ですね」と訳したとかなんとか。馬鹿げた話だが、それもまた、月の何らかの性質から普遍性を見出した、ということなのだろう。

 

 

僕は今、果てしない夜に抱かれ

Same Old Moon 君のことを考えている。

思わず涙こぼれそうさ。空に散るよ。

僕はまだ君にいかれてる。

 

君とよく歩いた街の中

一人車で走り抜ける。

過ぎ去った日々が映し出されて

胸裂くような切なさに包まれた。

 

浮かんでは消えてく。

様々な君の仕草を。

帰り道さえ見つけ出せずにいる。

My Heart

 

僕はただ、時の流れを見つめて

Same Old Scene 君のこと考えてる。

思わず涙あぶれ出して空に散るよ。

僕はまだ君にいかれてる。

 

夜更け過ぎ、窓開けて見る空に

青白く月が光る。

君はもう新しいシャツを着て

暮らしているだろう。

この街の裏側で。

 

眠れぬ夜を越え、いつか僕も歩き出すのか。

揺らぐ季節に失うものはない。

My Turn

 

僕はただ、果てしない夜に抱かれ

Same Old Moon  君のこと考えてる。

思わず涙こぼれそうさ。空に散るよ。

僕はまだ君にいかれてる。

 

行方告げずに思い出す。

走り去ったバスを

決して追うことはないだろう。

 

僕はただ、時の流れを見つめて

Same Old Scene 君のこと考えてる。

思わず涙あふれ出して空に散るよ。

僕はまだ君にいかれてる。

 

僕はただ、果てしない夜に抱かれ

Same Old Tune 今日も歌い続けてる。

思わず涙こぼれそうさ。空に散るよ。

僕はまだ君にいかれてる。

 

Love is going

Love is going