万理れい子『サイケな街』
近頃、色々なバンドを探しては結局のところOGRE YOU ASSHOLEに戻っている。彼らの曲や詞は、どうも代わりがいない。米を毎日食べる感覚と似ているようにも思う。同じおかずでは飽きてしまうが、米ならそうでもない。
今回紹介する曲は、万理れい子の『サイケな街』だ。当時この曲がどれだけ流行ったのかも分からないが、妙にクセになっている。
サイケなサイケな街であなたに会えば
サイケなサイケな花がチルチルミチル
お金はなくても二人二人で踊れば
刹那の刹那の虹が虹がきらめく
もう誰も知らない夢の中で
サイケなサイケな街で踊り続ける
孤独な私の胸に夜明けが来るまで
サイケなサイケな街であなたと別れた
涙が涙が風にチルチルミチル
小さな小さな星を星を頼りに
どこまでどこまでゆけば幸せ掴める
もう誰も知らない夢の中で
サイケなサイケな街で踊り続ける
孤独な私の胸に夜明けが来るまで
何となく、この詞における「サイケ」はネオンで眩しい昭和の都会を連想させる。時代的にもそうなのかもしれない。それにしても、「サイケデリック」という分野は、薬物使用時の雰囲気を表現しようとしたものと言われているように思うが、改めて考えると、根本的には薬物を使用せざるを得なかった気分を表現したものかもしれない。詰まる所、サイケデリックとは現実逃避の一つであって、その裏には堪え難い現実が潜んでいるのだ。などといい加減なことを書いておく。
だが、そのような意味で『サイケな街』の歌詞は分かりやすい。恋人と別れても尚、一人でサイケな街を踊り続けているのである。